新車の納期が思ったより長いと感じている方が多いのではないでしょうか?新車への乗り換えを検討するきっかけの一つに車検があります。車検を受けずに新車へ乗り換えを検討する場合、これまでより早く検討に入る方がゆっくり車選びが出来ますね。購入方法がローンを希望の場合は、事前に銀行やローン金利が安い店を探しておくのも大切です。
ただ、人気車種になると4か月~1年といった長い期間待つことも多いので、車検の有効期間1年~半年のうちに検討しておくことをおすすめします。
本記事では、
- 契約から新車が手元に届くまでの流れ
- 新車の納期がかかる理由
- 車種別の納期目安について
- 納期のかかる新車購入時に気をつけるポイント
を解説していきます。
2021年も新型車は続々と発表されてきます。新車が納車されるまでの期間をしっかり把握して、車選びをお楽しみください。
目次
1. 新車契約から車が届くまでの流れ
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1販売店(ディーラー)からメーカーへ発注(オーダー)
一般的な流れでは、ユーザーが販売店で新車を注文すると販売店からメーカーに発注されます。この段階で納車までに期間がかかるか分かれます。
ケース①事前にメーカーへ発注されていた車種
ディーラーはメーカーから専売契約をした販売店ですから販売台数のノルマの様なものがあります。販売台数を達成すれば報奨金や販売店としてのランクがあがることもあるでしょう。
そのため、ディーラーはあらかじめ数ヶ月先の販売予測を立てて事前にオーダーをしている場合もあります。このようなケースに当てはまる場合は通常より納期が早くなります。
ケース②メーカーでの生産予定が組まれている車種
次は、ディーラーからオーダーされた際にすでにメーカーの生産予定に組み込まれている車種です。メーカーは生産ラインをどれだけ効率よく稼働させるかが大切です。メーカー自身もあらかじめ生産予定を立てて生産を止めないようにしています。注文した車種・グレード・色などの条件がピッタリ合う場合は、納期は早く判明します。
ケース③メーカーでバックオーダーになる車種
現在、どこのメーカーでも一番多いのがバックオーダーになり生産まで時間がかかるパターンです。新型車で発売されたばかりの車種や人気の車種ではこの状況が続きます。こうなると実際に購入の注文をしたお客様が優先されるので、ディーラーからも余分に発注しておくことは難しくなります。
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2メーカーから納車整備センターへ
生産された新車は完成検査ののち、各拠点の納整センターへ配車されます。以前は陸送でタイムリーに出荷されていた印象ですが、最近は船便を使うことも多いようです。例えば九州工場から名古屋へ船便で配送されたのち、各ディーラーへと届きます。
船便の場合はまとまった台数を配送します。そのため数日~10日程度はモータープールで配送待ちになります。そのため、生産日からディーラーまで車が届くのに日数がかかります。購入したディーラーがある地域と生産拠点の地域によって納期が変わってきます。
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3ディーラーでオプション装着し、新規登録
納整センターから車が届くと、ディーラーで残りのディーラーオプション取り付けをします。書類手続きは同時進行していますから、ナンバーが付けば納車準備が整います。
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4納車
最近はディーラーでも店頭での納車が増えてきました。日柄の良い日を希望する場合は、少し早めに担当の営業スタッフと相談して日時を決めておきたいですね。土日よりも平日の方が店舗も空いているのでじっくり説明を聞くことができますね。
2.なぜ新車の納期は長くなったのか?
10年以上前は新車を注文して納車されるまで1ヵ月~2ヶ月というのがほとんどでした。なぜ近年になって新車の納期が遅くなるようになったのでしょうか?考えられる原因をあげてみます。
2-1.受注生産の徹底
リーマンショック以降、過剰生産を抑制し、受注生産を徹底しています。リーマンショックで工場を閉鎖したり、余分な在庫を持たないようにしています。販売台数が減少しても利益が上がるような経営体質に転換しています。
一方、見込み生産をしているメーカーでは生産予定に組み込まれている車種は納期が早くなる傾向にあります。ホンダの人気車種は納期が早いですね。
2-2.輸出分だけで480万台も生産している
2019年に日本国内で生産された四輪車は968万台です。一方海外へ輸出された台数は482万台です。国内の各メーカーは国内分だけを作っているわけではないのですね。
2-3.メーカー間でOEM供給が多い
OEMとは他社で生産した車を自社のブランドとして販売する手法です。近年はこの流れが加速しています。
例えばトヨタで人気のルーミーやライズはダイハツのトールとロッキーです。ダイハツで生産してトヨタで販売するということです。またスバルは軽自動車から撤退し、ダイハツから供給を受けています。こういう場合一般的には生産元ブランドで販売されている車種の方が納期は早くなる傾向があります。
生産工場としては販売チャネルが増えるため生産台数を確保しやすくなります。OEM供給を受ける側は、新型の研究開発費を抑え、主力車種の開発に注力できます。ただどのメーカーも生産工場を増床するのはリスクが高いため従来の生産ラインを強化することで対応しているようです。そのため生産に時間がかかるのでしょう。
2-4.ハイブリッドバッテリーや電子制御装置など部品供給が追い付かない
EVやハイブリッド、自動運転などの技術革新により自動車を取り巻く部品は変化しました。生産に技術もコストもかかるため供給できる部品メーカーは限られます。こういった面も納期に影響しているでしょう。以前のように設備投資にも慎重ですから新車の納期は長い状態が続きそうです。
2-5.ツートーンカラーなどバリエーション増加
各社ともツートンカラーなどのカラーバリエーションが増えています。単色ボディーに比べ塗装工程は複雑で手間がかかります。ベースカラ―はロボットで塗装されていても、ツートン色は手作業でマスキングをして塗装しているケースも多いようです。最近の新車は色によって納期が変わることも多いですね。
2.6最新の人気の新車の納期一覧
2021年1月12日に独自調査した各車種の納期情報です。あくまでも目安ですが、3年が明け1月~3月はメーカー決算があり各社セールが盛んです。乗り換える人も多いので早めに検討したいですね。
※2021年1月時点の調査情報です。
※実際の納期は車種やグレード、オプション装備、車体色により納期は変動します。また季節や天候に左右される運送の状況によっても変わります。
人気乗用車の新車納期一覧
ブランド名 | 車名 | 納期目安 |
トヨタ | ヤリス | 3~4ヶ月 |
トヨタ | ヤリスクロス | ガソリン:5~6ヶ月 HYBRID:7~8ヶ月 |
トヨタ | ライズ | 3~4ヶ月 |
トヨタ | ルーミー | 4~5ヶ月 |
トヨタ | ハリアー | ガソリン:4~5ヶ月 HYBRID:8~9ヶ月 |
トヨタ | アルファード | 3~4ヶ月 |
トヨタ | カローラ | 4~5ヶ月 |
トヨタ | カローラツーリング | 3~4ヶ月 |
トヨタ | カローラスポーツ | 2~3ヶ月 |
トヨタ | シエンタ | 4~5ヶ月 |
トヨタ | ヴォクシー | 3~4ヶ月 |
トヨタ | プリウス | 3~4ヶ月 |
トヨタ | RAV4 | 3~4ヶ月 |
トヨタ | パッソ | 3~4ヶ月 |
トヨタ | カムリ | 3~4ヶ月 |
ホンダ | フィット | 1~2ヶ月 |
ホンダ | フリード | 2~3ヶ月 |
ホンダ | ステップワゴン | 1~3ヶ月 |
ホンダ | オデッセイ | 6ヶ月~ |
日産 | ノート | 2WD:3~4ヶ月 4WD:4~5ヶ月 |
日産 | セレナ | 2~3ヶ月 |
日産 | キックス | 3~4ヶ月 |
スズキ | ソリオ | 3~4ヶ月 |
スズキ | スイフト | 3~4ヶ月 |
スズキ | ジムニーシエラ | 11ヶ月 |
SUBARU | レヴォーグ | 2~3ヶ月 |
SUBARU | インプレッサ | 1~2ヶ月 |
SUBARU | フォレスター | 1~2ヶ月 |
マツダ | CX-5 | 2~3ヶ月 |
マツダ | MAZDA2 | 2ヶ月 |
マツダ | CX-8 | 2ヶ月 |
マツダ | CX-30 | 2ヶ月 |
ダイハツ | ロッキー | 1~2ヶ月 |
ダイハツ | トール | 2~3ヶ月 |
人気の軽自動車の新車納期一覧
ブランド名 | 車名 | 納期目安 |
ホンダ | N-BOX | 1~2ヶ月 |
ホンダ | N-WGN | 1~2ヶ月 |
ホンダ | N-ONE | 4~5ヶ月 |
スズキ | スペーシア | 1ヶ月 |
スズキ | ハスラー | 1ヶ月 |
スズキ | ワゴンR | 1ヶ月 |
スズキ | アルト | 1ヶ月 |
スズキ | ジムニー | 1年 |
ダイハツ | タント | 2ヶ月 |
ダイハツ | ムーヴ | 1~2ヶ月 |
ダイハツ | ミラ | 1~2ヶ月 |
ダイハツ | タフト | 1~1ヶ月半 |
日産 | ルークス | 3~4ヶ月 |
日産 | デイズ | 2~3ヶ月 |
3.納期が長い新車を購入する際のポイント
新車購入時にこれまで以上に気をつけておきたいポイントを解説します。
ココがポイント
下取車を買取専門店での売却する場合
査定した日から手放すまでに時間がかかるので、実際の買取額は下げられる確率が高まります。事前に手放すにしても、数ヶ月も代車を用意してくれる店舗は稀です。中古車や未使用車を購入するなら買取専門店を活用するのも選択の一つですが、新車の場合はデメリットが大きいです。
ココがポイント
自動車税の納付義務
自動車税は4月1日時点の車検証記載の使用者に課税されるのが一般的です。新車の納車に時間がかかる場合はしっかり確認しておきたいですね。
ココがポイント
リースや残価設定ローンで購入した車からの乗り換え
カーリースや残価設定ローンで購入した車からあらたに新車を購入する場合は、余裕を持った準備が必要です。リースアップやローンの最終回間際での検討になると、納期が間に合わないために車種やグレードなどを妥協しなければいけなくなります。ずっと車を所有して生活するなら、低金利の通常ローンの方が融通が利きます。
ココがポイント
現在乗っている車の車検満了日に注意
新車は自分の好みで装備や色が選べることが魅力の一つです。でも今乗っている車の車検までに乗り換えたい場合、選択肢が狭くなってしまうことが考えられます。あまりに車検が近いのなら、もう一度車検を受けてじっくり新車選びをすることも視野に入れたいですね。