車検時【エンジン回りの点検】を解説
車検の点検項目【エンジン回り】を解説します。
エンジン本体及びその周りに取り付けられている補機類、トランスミッションなどエンジンルーム内には点検項目がたくさんあります。
特にエンジンは車の心臓といわれるくらい、車を長く乗るために大切な部分と言われています。
ご自分でも目視点検程度できると不具合の早期発見にもつながりますね。
目次
エンジンオイル
エンジンオイルの量や劣化状態をオイルゲージやフィラーキャップを外して確認していきます。エンジンオイルは人の血液同様エンジンにとって欠かすことが出来ないものです。車のメンテナンスの基本かつ最も重要な項目の一つです。
また、エンジンオイルエレメント(フィルター)は取付状態などを点検し、交換時期が過ぎていないかを見ます。
オイル漏れ点検
エンジン本体のオイル漏れを点検します。
ヘッドカバーガスケットやオイルパンガスケット部分からのオイルにじみやオイル漏れをすることが多いです。エンジンルームの上部からと車をリフトアップし下回りからも点検します。
エアクリーナーエレメント
エアクリーナーは燃焼に必要な空気を取り込む部分に取り付けられています。エンジンは燃焼のサイクルの都度空気を吸い込んでいますからエアークリーナーは汚れが溜まりやすい部分です。目詰まり、汚れ、損傷などが無いか確認していきます。
ウォーターポンプ
ウォーターポンプはエンジンを冷却するための冷却水をエンジン内部に循環させる役割を持っています。
ウォーターポンプからの水漏れの他、独特の異音が発生する場合もあります。オーバーヒートなどの原因となりますから不具合が出ると交換となります。タイミングベルト装着の車なら、タイミングベルトを交換するタイミングで一緒にウォーターポンプを交換するといいですね。
ラジエーター
ラジエーターはエンジンで熱せられた冷却水を冷やすための部品です。通常エンジンの前方についています。バンパーグリルの裏あたりにあります。
ラジエーター本体は、水漏れ、損傷を確認します。
リザーバータンク内の冷却水(LLC)の量が適正か、汚れなどを見ます。また、クーリングファンの状態も見ます。
ラジエーターキャップ機能の劣化やサーモスタットなど冷却系の不具合症状がみられる場合は、詳細な診断をお勧めいたします。
ラジエーターのゴムホースはジョイント部から水漏れをしやすいので、ヒーターホースを含め各部のジョイントを点検します。
ゴムベルト
パワステベルト、ファンベルトなどの名称で呼ばれるエンジンの外についているベルトを点検します。ベルトの劣化、ヒビ、張り状態を確認します。劣化したベルトの場合、ベルト鳴きが発生している場合もありますが、ベルトが掛けられたプーリー側の不具合の場合もありますから、しっかりと診断する必要があります。
タイミングベルト
クランクシャフトをベルトで繋いでカムシャフトを回し、エンジンのバルブ開閉を行っています。万が一タイミングベルトが損傷したり切れたりすると、バルブの開閉タイミングがズレてエンジンがストップします。エンジン内部の重大な損傷につながりますから、メーカー指定の交換時期に整備する必要があります。
ベルトの代わりにタイミングチェーンが採用されている新型車が増えてきました。昔に比べチェーンの欠点である「静寂性に劣る」「チェーンの伸び」などが改善されてきました。
タイミングベルトのように10万kmでの交換は一般的に不要ですが、エンジンオイルのメンテナンスを怠ると異音や不具合の原因となります。
エンジンマウント
エンジンマウントとは、車体フレームとエンジンを繋いでいる部分のことです。エンジンの振動は大きいため、フレームに直接繋ぐと車体への影響が大きいため、エンジンマウントで振動を整え、エンジンを保持する役割があります。
一般的なマウントはゴム素材が使われています。ゴムブッシュの劣化や亀裂、破損を点検します。エンジンマウントの機能が低下すると車の振動が大きくなり快適性が低下したり、他の部分の不具合につながります。
点火装置
スパークプラグ、イグニッションコイル、ディストリビューターなどの損傷、摩耗、汚れ、劣化、点火状態などを点検します。
アイドリング時のエンジン回転が不安定になる原因の一つです。エンジンにとって点火は非常に重要な要素ですから、定期的なメンテナンスが必要になります。
燃料装置
燃料ホースや燃料パイプ、燃料タンクなどの取付、損傷、漏れなどがないか確認します。
燃料ポンプの作動不良によるエンジン始動できないという故障事例もあります。エンジンが掛からない原因はバッテリー上がりばかりではないので整備士に見てもらうことが大切です。
トランスミッション
ATフルード、CVTフルード、ミッションオイルなどの劣化、漏れ、量を確認します。車種によりメーカー指定の交換時期があります。とくにATミッションは、精密なソレノイドバルブを使った制御をしているため、オイル管理が大切です。あまり長い間交換していないAT車の場合、交換しない方がいい場合もございます。