車検時【ブレーキ関係の点検】を解説
自動車にとってブレーキは最重要な保安部品です。安心してドライブするためにはブレーキへの信頼が大切です。
自動車の基本性能である、走る・曲がる・止まるの中でも交通の安全を考えるとブレーキの点検は欠かすことのできないものです。
本記事では車検時のブレーキ関係の点検について解説していきます。
目次
ブレーキペダル
ブレーキペダルのすり減り、遊び、踏みしろなど正常作動を点検します。
ブレーキペダルがすり減っていたり、レバーにガタがあるとブレーキ操作時に思わぬ事故につながる可能性があります。
サイドブレーキ
手動・足踏み式のサイドブレーキの引きしろ、踏みしろ、ノッチ数など作動を点検します。
電動式パーキングブレーキの場合も作動点検を実施します。
ブレーキフルード
ブレーキフルードの油量が適切か、劣化がないかを点検します。
ブレーキフルードは水分を吸収しやすい性質があるので、劣化が進行すると沸点が低くなりべーパーロック現象が発生する原因になります。エンジンオイルほど頻繁に交換する必要はありませんが、定期交換が必要です。
ブレーキフルードの交換時期は通常1~2年と言われているので、車検時に交換をお勧めしています。
マスターシリンダー
ブレーキの踏み力を各車輪のブレーキへ分配する役割があります。マスターシリンダーのフルード漏れや損傷、不具合がないか点検します。
ディスクブレーキ
ディスクキャリパー、ローター、ディスクパッドの摩耗、損傷、漏れ、歪、固着などがないか点検します。
キャリパー内のシリンダーが固着してブレーキの引きずりなどを起こすと正常な走行に支障をきたします。
ディスクパッドの残量については車検の規定はありませんが、摩耗状態の目安として残量をチェックします。
交換の目安としては残量が2~4㎜程度です。ブレーキパッドには残量の減少を知らせる摩耗センサーがついています。機械式の摩耗センサーの場合、ディスクローターに擦れて「キーキー」という音を走行時に発生させドライバーに知らせます。そのまま放置するとディスクローターを痛めますので、早めの交換が必要となります。パッドの摩耗センサーが作動する前に交換をすると安心です。
ドラムブレーキ
ドラムブレーキはドラム内部の点検を行います。
ブレーキドラムの歪、摩耗、損傷を確認します。
ホイールシリンダーからのフルード漏れ、正常作動を確認します。
ブレーキシューのライニング残量を確認します。
ドラムブレーキのホイルシリンダーは、不具合が出やすい部分です。普段はドラムで覆われているため目視で点検できません。車検時にしっかりと点検させて頂きます。また、ドラムで蓋された状態ですから、汚れやブレーキダストが溜まっています。車検時にはブレーキクリーニングをお勧めします。
ブレーキホース
ブレーキホースは、パイプとキャリパーを繋ぐ部分のゴムホースとなります。車輪は上下の振動の他、前輪は旋回運動のため動きます。車輪の動作にあわせて柔軟に稼働するためゴムホースが採用されています。
ブレーキホースの交換の目安は10年又は10万kmと言われていますが、亀裂やヒビ割れがあると大変危険です。その場合は交換が必要となります。
上記以外にもブレーキに関わる部品としてABSやブレーキパイプ、ブレーキ倍力装置などがあります。長く安心してお乗り頂くために定期的なメンテナンスをお願いします。