車検時【足回り・サスペンションの点検】を解説
足回りやサスペンションの点検について解説します。
サスペンションは自動車の振動を抑え快適に乗るために重要です。さらにコーナーリング時や加速減速時の荷重移動が発生する場合も車体を安定させるために作動しています。普段あまり直接見る機会はないですから、立会い説明時にご自分の目で確かめてみるのもおすすめです。
目次
サスペンション
取付マウント部、連結部の緩みやガタを確認します。各部のブッシュ類の損傷もないか点検します。年式が古くなってくるとゴムブッシュがひび割れてきます。
ショックアブソーバ
一般的に油圧式のショックアブソーバは漏れがないか、損傷がないかを点検します。
足回りで多いのがショックアブソーバーのオイル漏れです。サスペンションのスプリングはショックアブソーバーがないと振動を収めることができません。正常に減衰力が作動することで、快適で安全な運転を実現できます。
スタビライザー
自動車の横振れを押さえる効果があるスタビライザーは、取り付け部分のゴムブッシュに負荷が大きい部品です。スタビライザーに損傷やガタがないか確認するとともに、ゴムブッシュの状態も点検します。車種によってリンクロッドが付いている車があります。その場合、リンクロッドも合わせて点検します。(※写真の赤丸部分がリンクロッドです)
ロアアーム
ロアアームはナックル(車輪とハブが取り付けられるパーツ)と車体を繋ぐ役割がある部品です。人の骨盤のようなものです。ロアアームが曲がってしまうと車は真っ直ぐ走れなくなります。
ロアアームの損傷、ボールジョイント部のゴムブーツ亀裂、損傷などを点検します。事故で足回りにダメージを受けると多くのケースで交換になる部品です。
アッパーアームが装着されている車両は同様の点検を行います。
ドライブシャフト
ドライブシャフトはミッションからの動力を車輪に伝える役割があります。車輪は振動や旋回で上下左右と角度が変わるため、ドライブシャフト内に等速ジョイントを使い向きを変えています。等速ジョイントは潤滑をよくするためグリスが塗布され、ジャバラ状のダストブーツで保護されています。
ドライブシャフトの点検では、ダストブーツの損傷、グリス漏れとガタや異音、損傷がないかを確認します。
四輪駆動やFR車の場合は、プロペラシャフトもユニバーサルジョイント部のガタ、損傷などを点検します。